研究内容(分子分光)

内殻二電子空孔状態

Cederbaumらは内殻二電子空孔状態(DCH)が一電子空孔状態(SCH)よりも分子の化学的環境を鋭敏に捉えることを示しました[JCP 1986]。DCH状態には、2サイトと1サイトの状態があり、2サイトDCH状態(tsDCH)はSCH状態よりも化学的環境に敏感であり、1サイトDCH状態(ssDCH)はSCH状態の化学シフトと同様な傾向を示します。最近のX線自由電子レーザーや同時計測分光法の進展により、これらの状態の観測が可能になりました。

我々は、緩和エネルギーや原子間緩和エネルギーがssDCH状態やtsDCH状態を観測することによって実験的に決定できることを提案しました。[JCP 2010, CPL 2010, PRL 2010, 2011, PNAS 2011] また、DCH状態からの連続的なオージェ緩和によりCVV(3電子イオン化)状態やVVVV(4電子イオン化状態)状態が生成する過程を研究しました。[JCP 2011]

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